私は以前勤めていた会社の関係で確定拠出年金(iDeCo)を始めましたが、日本の証券投資をSBIにまとめて管理することにし、そのついでに退職後はiDeCoもSBIに移管しておりました。ちなみに移管手続きは結構面倒なので、2度とやりたくない。
2017年1月から主婦や公務員の方も加入でいるように非常に多くの方がiDeCoの制度を利用する対象になったかと思います。
それに合わせてSBI証券でもコストが低いファンドをそろえたプランを導入しており、SBI証券内でのプラン変更について検討しております。
確定拠出年金(iDeCo)とは
iDeCoとは公的年金にプラスして給付が受けられる年金制度です。自分でお金を出して、運用商品を選択します。自分の運用の巧拙によって将来の受取額が変動します。
iDeCo自体については以下の記事にメリット・デメリット等を記載しております。
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確定拠出年金(iDeCo)の紹介
2017年に盛り上がりを見せた確定拠出年金(iDeCo) 確定拠出年金(iDeCo)は以前勤めていた会社が毎月17,000円を拠出しており、転職後は自己負担で拠出し継続しております。 ほとんどの書籍や ...
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SBI証券でのiDeCoのプラン
SBI証券ではiDeCoは2つのプラン(オリジナルプラン、セレクトプラン)があり、どちらも選ぶことも、変更もできます。
オリジナルプラン
2005年のiDeCoサービス提供開始時から提供しているプラン。
昔から提供しているプランのため、商品ラインナップを入れ替えにくい傾向があります。コストや運用実績などを総合的に鑑みて、選定した35商品をラインナップとして提供中。
セレクトプラン
2018年11月に導入したプランです。
近年のファンドの低コスト化の恩恵が大きいプランになっており、「低コスト」と「多様性」にこだわった商品ラインナップ。
2つのプランのどちらを選択するか
これから始める場合
ファンドのコストを考えると、セレクトプラン一択と思っています。そのため、これからiDeCoをSBI証券で始める人にとってはプランについて、迷うことはないかと思います。
既にセレクトプランを選択している場合
オリジナルプランに移行する必要は一切ないと思いますので、今後さらに新しいプランができるまでは特に変更する必要がないかと思います。
これまでオリジナルプランを選択している場合
私は昔からSBIでiDeCoの運用をしていたため、オリジナルプランとなっておりますが、悩ましいのは、年間のファンドの運用コストを下げるために、セレクトプランに移行するかどうか。同じ悩みを持っている人は結構いるんじゃないかな。また、移行する場合、待機資金となっている期間が1~3カ月くらいありそうです(詳細は今後アップデート)。
このままオリジナルプランを継続するか、セレクトプランに移行するか検討してみました。
オリジナルプランからセレクトプランに移行するかどうか
単純にコストだけ見るとセレクトプランに移行した方がいいのですが、今回以下のステップでプラン変更について検討してみました。
➀iDeCoで何に投資するか
②投資する商品でのオリジナルプランとセレクトプランのコスト差
③機会費用とコスト差の比較
➀iDeCoで何に投資するのか
iDeCoではある程度のキャピタルゲインも狙いたいため、株式のみに投資することを決めておりました。また、長い年月投資するので特定の国だけに限定せず、世界中に分散投資することにしました。
海外ETFのVTやACWIに投資するイメージとなります。
オリジナルプランで世界中に分散投資する場合
私が実際に投資している割合となりますので、VTやACWIとは国の割合は多少異なるかと思います。
ファンド名 | 信託報酬 | 投資割合 |
DCニッセイ外国株式インデックス | 0.154% | 80% |
EXE-i 新興国株式ファンド | 0.3625% | 16% |
DCニッセイ日経225インデックスファンドA | 0.1859% | 4% |
投資割合で加重平均した信託報酬は以下の通り。
加重平均した信託報酬 | 0.1886%・・・(A) |
セレクトプランで世界中に分散投資する場合
ファンド名 | 信託報酬 | 投資割合 |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 0.1102%・・・(B) | 100% |
②投資する商品でのオリジナルプランとセレクトプランのコスト差
信託報酬率
加重平均した信託報酬 | 0.1886% | (A) |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 0.1102% | (B) |
差額 | 0.0784% | (C)=(A)-(B) |
25年間での差額 | 1.9609% | (D)=(C)×25 |
25年間でのコストは約2%となっております。25年間での差異が2%って個人的には無視してしまってもいいんじゃないかというレベル。
平均残高
平均残高については一定の前提を置いて考える必要がありますが、ベースにしているのは以下のリンク先。
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私のライフプラン(老後資金の準備)
2019年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書の”老後2,000万円”が話題になりましたが、個人的に感じたのは、 老後2,000万円で足りるの? この記 ...
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現在の残高 | 200万円 | |
25年後の目標額 | 1,000万円 | |
平均残高 | 600万円 | (E)=(200+1,000)÷2 |
コスト差
信託報酬の25年間での差額1.9609% × 平均残高 600万円 | ≒12万円 | (D)×(E) |
③機会費用とコスト差の比較
25年間での信託報酬率の差が1.97%で私のケースだとコストの差は12万円程度。これを上回る機会費用(今回は株価上昇に絞っています)があるかどうかがポイントになります。
iDeCo残高を200万円と仮定し、今後も株価上昇を予想ている場合、待機資金として保有している間の株価上昇が6%以上あるとオリジナルプランからセレクトプランに移行しない方がいいかと思います。待機資金としての期間が1~3カ月程度あってもおかしくなさそう。
私は、6%の上昇があってもおかしくないと思っており、また、ファンドの信託報酬は今後も変わりますので、そのたびにプランやファンドの変更、証券会社の変更を行うことは現実的ではないので、単純なインデックスファンドで倍以上の信託報酬の違いがない限り乗り換えない予定です。
株価下落や横ばいを予想している場合、さらに、将来の予想はセレクトプランに移行した方がトータルでのパフォーマンスは高くなりそうですので、迷わず手続きを進めるべきです。
ただ、iDeCoへの毎月の拠出額が多く、投資期間が長い場合にはプラン変更を行った方がお得となる傾向があります。