個人的に高配当で好きな銘柄であるARCCについて記事にしております。コロナウィルスによる影響が表面化した2020年3月以降は高配当な銘柄については、下落が大きく、ARCCについても同様となっております。
リーマンショック時の下落と回復の時期を見ると2~3年程度時間がかかっているので、個人的には今回もあと2年くらいは回復に時間がかかることを覚悟しております。
ARCCとは
Ares Capital Corporation(ARCC)
エイリス・キャピタル・コーポレーションは、米国にある中規模企業の債券および株式を中心に投資することで、収益および資本の増加を目指すBDC(事業開発会社)です。
BDCとは
Business Development Companies(ビジネス ディベロップメント カンパニーズ)の略で、日本語では事業開発会社と訳されます。新産業や有望な中堅企業等(中小企業から上場企業まで)の事業開発を金銭面及び経営面からサポートする会社で、その多くが米国の証券取引所に上場しています。その配当利回りが相対的に高いことや今後の米国の経済成長期待から、注目されている資産の一つです。
出所:https://www.smam-jp.com/market/report/keyword/usa/key170131us.html
基本情報(2020年10月2日)
上場:米国(日本のネット証券会社では、マネックス証券と楽天証券は投資可能、SBIは投資不可能)
配当頻度:四半期(3ヶ月ごと、3月、6月、9月、12月)
配当利回り:11.14%
チャート(2020年10月2日)
上場時からのチャート
リーマンショックで大きく下落し、その後回復。株価は16ドル付近で上下しておりましたが、コロナウィルスによる影響で株価が下落しております。
リーマンショック時は2007年後半から下落し始め、2010年に回復しております。
2020年のチャート
コロナウィルスによる株価急落前は19ドル程度から、2020年3月では10ドルを下回ることもありましたが、2020年10月2日時点では2割以上下落した水準となっております。
ARCC配当状況
2005年以降、安定的な配当支払いがありました。リーマンショック後3年間は少し配当が下がり、年間での配当が1.4ドル程度でしたが、その後回復し、2019年は1.68ドルに達しております。
2020年
Ex-Dividend Date | Pay Date | Amount | Frequency |
9/14/2020 | 9/30/2020 | 0.4000 | Quarterly |
6/12/2020 | 6/30/2020 | 0.4000 | Quarterly |
3/13/2020 | 3/31/2020 | 0.4000 | Quarterly |
2019年
Ex-Dividend Date | Pay Date | Amount | Frequency |
12/13/2019 | 12/30/2019 | 0.4000 | Quarterly |
12/13/2019 | 12/27/2019 | 0.0200 | Additional |
9/13/2019 | 9/30/2019 | 0.4000 | Quarterly |
9/13/2019 | 9/30/2019 | 0.0200 | Additional |
6/13/2019 | 6/28/2019 | 0.4000 | Quarterly |
6/13/2019 | 6/28/2019 | 0.0200 | Additional |
3/14/2019 | 3/29/2019 | 0.4000 | Quarterly |
3/14/2019 | 3/29/2019 | 0.0200 | Additional |
Total dividends paid in 2019 | 1.6800 |
2018年
Ex-Dividend Date | Pay Date | Amount | Frequency |
12/13/2018 | 12/28/2018 | 0.3900 | Quarterly |
9/13/2018 | 9/28/2018 | 0.3900 | Quarterly |
6/14/2018 | 6/29/2018 | 0.3800 | Quarterly |
3/14/2018 | 3/30/2018 | 0.3800 | Quarterly |
Total dividends paid in 2018 | 1.5400 |
ARCCのポートフォリオ(2020年3月31日時点)
ARCCのポートフォリオは、88%はシニア債、5%は優先株式から構成されております。リセッション時には投資先のクレジットリスクが悪化して、損失が生じることもあるかと思います。その際には、シニア債よりも劣後するトランシェが損失を吸収し、その上で、担保でも吸収できない場合にARCCの損失が生じることになります。そのため、シニア債の比率が高いことで、少し安心してしまいます。
ARCCの外部格付(2019年11月1日時点)
ARCCの外部格付はBBB以上となっており、投資適格先となっております。
ARCCのメリット
高い配当利回り
ARCCの最大のメリット。高配当が見込めて、配当を重視する人には紹介できる商品の一つ。2020年10月2日時点の配当利回り11.14%と、非常に高い配当利回りは魅力的です。
通常とは異なるアセットクラスへの投資
通常の株式や債券といった、従来の伝統的資産とは異なるリスク・リターン特性を有している。そのため、ポートフォリオに組み込むことによりリスク分散効果があります。
BDC業界トップ
リーマンショックで株価が暴落しましたが、危機を乗り越えて生き残っているBDC最大企業となります。多少の経済後退も乗り越えてくれる期待感が強いです。
コロナ禍でも配当維持
不動産系では減配の話をよく聞きますが、BDCについてはひとまず配当金額が維持されております。ARCCについては影響が出始めた2020年3月以降の配当が維持されており、配当を重視した投資をしている方にとっては安心できる点かと思います。
日本のネット証券会社から投資できる(マネックス証券、楽天証券は投資可能)
特にSBI証券はBDC最大手のARCCの取り扱いが難しい旨のプレスリリースを出しており、BDCの取り扱いは難しいようです。マネックス証券と楽天証券ではHTGCの取り扱いがありますので、日本のネット証券会社から簡単に投資できます。
デメリット
SBI証券から投資できない
他のBDC銘柄と同様ですが、SBIはBDCの取り扱いがほとんどないです。私はSBI証券でNISA口座を開設していますが残念。
株価上昇が限定的
チャートを見ると、景気後退時に大きく下落しておりますが、それを除くと、一定の株価に収まる傾向があります。
また、2020年については、配当が維持されているとはいえ株価が大きく下落しており、含み損を抱えている投資家も多いかと思います。
日本で購入できる証券会社が限定的
ネット証券では楽天証券、マネックス証券では購入可能ですが、SBI証券では購入できません(楽天証券やマネックス証券を利用の方にはデメリットではありません)。
配当が四半期ごと
多くの投資家にとっては大したデメリットではないかもしれませんが、個人的には毎月分配される商品が好きなので、四半期ごとだと、頻度が少なく感じてしまいます。
SBI証券での取り扱い
SBI証券ではARCCの取り扱いが無く、これまで多くの投資家から取り扱いの要請があったと思われます。そのためか、SBI証券から2019/6/26に新規取扱い関してアナウンスがありました。
SBI証券での取扱いはしばらくはなさそうですが、「外国投資法人に関する届出」の提出がSBI証券で確認できた場合には取扱いが始まるかもしれません。
米国株式 エイリスキャピタル(ARCC)の新規取扱いに関して
お客さま各位 平素は当社をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 日頃よりお客さまから銘柄追加リクエストをいただいております、「米国株式エイリスキャピタル(ARCC)」につきまして、採用可否を検討させていただいた結果、当社では同社のBusiness Development Company(BDC)という法人形態は、外国投資法人に該当する可能性があると判断いたしました。これに加えまして、外国投資法人の取扱い時に、日本国内で必要とされる「外国投資法人に関する届出」の提出が当社では確認できていないことから、現時点での取扱いはできかねる旨の判断をいたしましたのでお知らせいたします。 このたびはお客さまのご希望にお応えすることができず、大変申し訳ございません。 お客さまにおかれましては、引き続き当社をご愛顧賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社 SBI証券
個人的な感想
配当利回りが10%を上回るため高く、伝統的な資産とは異なる特性を持つため、投資しています。個人的には個別銘柄への投資はあまりしないのですが、株価下落時には多少リスクをとってでも投資したくなる配当利回りであることは確かです。BIZDというBDCのETFの構成銘柄となっており、BIZDに投資をすることが多いです。妻はARCCとMAINに力を入れており、下落時に追加投資をしておりました。
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