正直、こんなETFがあったのは知らなかった。これまで投資対象として検討したことがないVXFというETFについて記事にしております。
バンガード®・米国エクステンデッド・マーケットETF(VXF)とは
米国株式市場の中型株および小型株をカバーする S&Pコンプリーション指数に連動するパフォーマンスを目指す上場投資信託(ETF)です。
大型株を対象とするS&P500指数を補完するためにスタンダード・アンド・プアーズが開発した指数です。
米国に上場されておりますが、SBI証券など日本の証券会社でも購入できます。
基本情報(2020年5月22日時点)
上場:米国(日本のネット証券会社などから投資可能)
配当頻度:四半期(3ヶ月ごと、3月、6月、9月、12月)
配当利回り:1.42%
経費率:0.06%
チャート(2020年5月22日時点)
上昇傾向ではありますが、米国以外の株式市場については、株価の上昇が限定的な銘柄が多いです。
市場別構成比率(2020年4月30日時点)
出所:バンガードHPより
情報技術、ヘルスケア、金融、資本財、一般消費財の5セクターが10%を超えております。
保有銘柄(2020年4月30日時点)
テスラやブラックストーンが中小型株とは、米国の株式市場の大きさを感じさせます。
2020年5月22日時点でざっくり1ドル100円で換算しても、テスラは1,514.26億ドル(15兆円)、ブラックストーンは644.83億ドル(6.44兆円)の時価総額があります。
3つのメリット
米国の大型株以外(中型株、小型株)に分散投資できる
1銘柄で米国の大型株以外(中型株、小型株)に分散投資することができます(2020年4月30日時点で3,278銘柄)。大型株を除いた投資を行えますので、中小型株の成長性に着目した投資を行えます。
出所:バンガードHPより
S&P500の補完効果がある
S&P500は大型株を対象にしているため米国株式市場全体に投資をする場合には、中型株と小型株が投資対象から外れることになります。S&P500に連動するETF(VOOなど)に投資している場合、VXFに投資することにより、米国株式全体をカバーすることが可能となります。
以下はS&P500のETFであるVOOがカバーしているエリアです。
出所:バンガードHPより
信託報酬が非常に低く、長期保有できる
信託報酬は0.06%。バンガードのETFは信託報酬が低いのでどれも長期保有に向いております。
自分だけでなく、子供や、孫の世代まで受け継げるような経費率です。
デメリット
米国全体に投資するならVTIに投資した方がいい
もともと米国の大型株、中型株、小型株全体に投資を行うことを想定している場合、VTIに投資した方が早いです。また、VTIはコストが0.03%のため、VXFよりもコストが低いです。ただ、30年で0.9%の経費の差ですので、誤差と言っていいかと思います。
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下落局面での下げ
大型株よりも中小型株の方が下落局面での下げが厳しい傾向があります。
VXFとVOO(S&P500)の比較(2020年5月22日時点)
以下、VXFとVOO(S&P500 ETF)の過去5年間の値動きを比較したチャートになります。
オレンジ色:VXF、青色:VOO(S&P500)
出所:ブルームバーグより
5年間の価格推移をみると、VXF(+18.86%)とVOO(+40.34%)で、大きなパフォーマンスが違いがあります。結果としては、米国市場では中小型株に投資するよりも、大型株に投資した方がパフォーマンスは高かったことになります。ほとんどの局面でVOOがVXFを上回って推移しております。
直近はコロナウィルスにより株価が急落しておりますが、株価の戻りもVOOの方が大きいです。
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VOO 海外ETFの紹介
VOO(バンガード®・S&P500ETF)とは S&P500指数のパフォーマンスへの連動を目指す上場投資信託(ETF)で、米国に上場されておりますが、SBI証券など日本の証券会社でも購 ...
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個人的な感想
S&P500を補完するためのETFとは結構面白いコンセプトの商品かと思います。
パフォーマンスを見るとVOOとの差が大きいので、米国市場に投資するならばだまってS&P500に連動するETFに投資するのがこれまではよかったようです。
今後も同様の投資成果を得られる保証はありませんし、景気回復局面では小型株の上昇が大きくなる傾向があるので、VXFをポートフォリオに組み込むのはありかもしれません。
VOOとVXFの組み合わせればVTIと同様の投資成果を得られる可能性があります。大型株と中小型株のバランスを調整したい場合はVOOとVXFの組み合わせもありかと思います。バランス調整が面倒な場合はVTIに投資するのが楽かと思います。