EMLCとは
ヴァンエックベクトルJPM新興国債券ETF(EMLC)
JPモルガン GBI-EMGコア・インデックスの価格と利回り(手数料と経費控除前)にできるだけ連動する投資成果を上げることを目標とするETFです。
JPモルガン GBI-EMGコア・インデックスとは
新興国の政府が現地通貨建てで発行する債券で構成されている指標で、2020年1月末時点では以下の構成国となっております。
ブラジル、チリ、コロンビア、チェコ、ドミニカ共和国、ハンガリー、インドネシア、マレーシア、メキシコ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、タイ、トルコ、ウルグアイ
基本情報(2020年4月3日)
上場:米国(日本の証券会社から投資可能)
配当頻度:月次
配当利回り:7.33%
経費率:0.30%
チャート(2020年4月3日)
長期的に下落傾向でしたが、コロナウィルスの影響で直近は大幅に下落しております。
EMLCの4つのメリット
毎月分配型で高配当が見込める
EMLCの最大のメリット。毎月の配当を重視する人には紹介できる商品の一つ。2020年4月3日時点の配当利回りは7.33%と非常に魅力的です。
個人では投資し難い債券市場にアクセスできる
SBI証券などで、レアル建て債券やリラ建て債券を買うことができますが、中身がイマイチで興味がわかないものが多い。 個人では米国債ですらアクセスしにくいため、新興国だとさらに難しい状況です。EMLCだと、容易に新興国債券にアクセスできます。
日本の証券会社で購入できる
2020年4月3日時点では、日本のネット証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社確認済み)で取り扱っております。
手数料が低い
新興国債券ETFの手数料は0.5%程度を想定しており、0.3%はかなり低い印象があります。もともと手数料率が低いバンガードのVWOBと同程度となっております。
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EMLCのデメリット
リスクが高い
リスクとリターンは対応関係にあり、リターンが高いということは、もちろんリスクも高いです。特に、インデックスの構成国を見ると、戦争や紛争、経済破綻、政治的な問題など、多くの懸念点が直ぐに思い浮かびます。また、格付けが低い国もあります。
バンガード・米ドル建て新興国政府債券ETF(VWOB)との関係
同じ新興国債券ETFとしてはVWOBがありますが、EMLCとの違いを簡単に記載したいと思います。
EMLCは自国通貨建て、VWOBは米ドル建てである点。
EMLCの自国通貨建ては、通貨安になっても新興国の自国通貨で利息及び元本を支払う(為替リスクは投資家が負う)
VWOBの米ドル建ては、通貨安に関係なく米ドルで利息及び元本を支払う必要がある(為替リスクは新興国が負う)
為替リスクと言っているのは、米ドルと新興国通貨間を指しております。米ドルと円の間ではどちらのETFも為替リスクは投資家が負っております。
EMLCだと米ドルと新興国通貨間の為替リスクを投資家が負うため、その分だけ金利が高くなる傾向があります。
個人的な感想
新興国ETFについて中国の割合が高いものがありますが、EMLCでは中国が構成国から外れており、個人的には投資しやすい銘柄と思っております。現地通貨建てのため、ドルベースで考えた際に為替リスクがありますので、ドルと現地通貨との為替リスクを取れる場合に投資対象になるかと思います。
配当利回りは高い銘柄ですが、株価については長期的に下落しておりますので、トータルでの損益については常に気に掛ける必要があります。