オススメでは無いけど、ポートフォリオに少しだけ組み入れてみたくなるETFだった、ZMLPを紹介したいと思います。
もともと株価は下落傾向が続いておりましたが、原油価格の下落とコロナウィルスにより株価は大幅に下落しております。
株価が下落し過ぎたため、2020年4月22日に8株を1株に併合しましたが、2020年10月16日にNYSEでの取引を終了し、2020年10月23日を清算日とすることになりました。
そのためZMLPに投資することはできません。
ZMLP(Direxion ザックス MLP 高配当ETF)とは
ザックスMLP指数の値と利回りに連動する投資成果を目指しますETFで、米国に上場されております。SBI証券など日本の証券会社でも取引されておりました。
ザックス MLP指数とは
ザックス独自の手法によって選定された25銘柄のマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)で構成されています。同指数は、S&P500指数やその他の基準となるベンチマーク指数をリスク調整後ベースで上回る利回りを実現する見込みのあるMLP群を選定することを目的としています。
ザックス独自の手法によって選定された25銘柄のマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)で構成されています。同指数は、S&P500指数やその他の基準となるベンチマーク指数をリスク調整後ベースで上回る利回りを実現する見込みのあるMLP群を選定することを目的としています。
基本情報(2020年10月16日時点)
上場:米国(日本のネット証券会社から投資可能でした):2020年10月16日に上場廃止
配当頻度:四半期(3ヶ月ごと、3月、6月、9月、12月)
配当利回り:20.76%
経費率:0.81%
チャート(2020年10月16日時点)
厳しい値下がりが続いておりました。
メリット
分配金利回りが非常に高い
ZMLP最大のメリット。2020年10月16日時点での分配金利回りは20.76%で非常に魅力的です。
基本的に、配当は四半期ごとに0.4ドル。ただ、直近の配当の内訳をみると、資本の払戻が大きな割合を占めております。2018年からは全て資本の払戻となっております。
Record Date*1 | Pay Date | Income Dividend($) | Return of Capital($) |
09/23/2020 | 09/29/2020 | 0.00000 | 2.40000 |
06/24/2020 | 06/30/2020 | 0.00000 | 2.40000 |
03/25/2020 | 03/31/2020 | 0.00000 | 0.30000 |
12/24/2019 | 12/31/2019 | 0.00000 | 0.40000 |
09/25/2019 | 10/01/2019 | 0.00000 | 0.40000 |
06/26/2019 | 07/02/2019 | 0.00000 | 0.40000 |
03/20/2019 | 03/26/2019 | 0.00000 | 0.40000 |
12/28/2018 | 01/04/2019 | 0.00000 | 0.40000 |
09/26/2018 | 10/02/2018 | 0.00000 | 0.40000 |
06/20/2018 | 06/26/2018 | 0.00000 | 0.40000 |
03/21/2018 | 03/27/2018 | 0.00000 | 0.40000 |
12/20/2017 | 12/27/2017 | 0.07738 | 0.32262 |
09/20/2017 | 09/26/2017 | 0.07738 | 0.32262 |
06/22/2017 | 06/27/2017 | 0.07738 | 0.32262 |
出所:http://www.direxion.com/products/direxion-zacks-mlp-high-income-etf
*1 Record Dateの1営業日前に購入すると配当を受け取れます(米国日付)。
MLP投資を手軽に行える
日本のネット証券会社から簡単にMLP投資を手軽に行えます。債券やREITなどと異なる値動きや分配金利回りなので、MLPをポートフォリオに少し取り入れたくなります。
デメリット
分配金以上の株価下落
非常に高い分配金利回りに注目してしまいますが、それ以上に株価が下落しております。価格が大きく下落すると、配当を打ち消す以上の損失となることもあります。
MLPはエネルギー市況の影響を大きく受けます(不動産市場とREITの関係に近いです)。2020年3月23日時点ではWTI原油価格は22ドル程度とこの5年間で▲71.76%下落しておりますが、ZMLP価格は▲85.84%と高い分配金を加味してもパフォーマンスは低いです。
(青線:WTI原油価格、オレンジ線:ZMLP)
個人的に考えられる軟調な理由(以下は一年くらい前に記載したコメントですが、傾向に大きな変化はないかと思います)
●米国に上場しているMLPの中で大幅な減配を発表した銘柄があり、多くの投資家がMLP投資に慎重となっていること(私も慎重になっております)
●他の商品と比べてパフォーマンスが低いため、ポートフォリオ調整で割合が低下し、MLPの購入より売却が多い
●株価のさらなる下落により、機関投資家の節税目的の売却の対象となりやすい
コストが若干高いこと
信託報酬は年0.81%でETFの中では少し高めです。
個人的な感想
チャートをみてわかる通り、配当利回りは非常に高いですが株価は下落傾向となっております。原油価格の変動が大きく、ZMLPの配当の内訳を見ると、個人的には買いにくいです。
以前、原油価格が30ドルくらいの時に原油価格の反転に連動するだろうとの期待でZMLPをNISA口座で購入しましたが、原油価格が上昇しても、ZMLPの価格は下落して行きましたので、分配金と売却損のトータルでプラスになったタイミングで売却してしまいました。
このような銘柄に少しだけ投資する程度ならいいのですが、高い分配金だけに注目して買う方のは避けた方がいいと思います。
2020年10月16日に上場廃止してしまいましたが、いずれ無くならと思わせる位に株価が下落していましたので、あまり驚きは無かったです。
個人的には、エネルギー関係の投資は興味があるので、気になるのは米国の動き。
2019年11月30日のBloombergで米国のシェールガスのニュースがあり、米国での原油や石油の供給が拡大し、純輸出国になっているようです。ネルギーについての今後の動向に注目していきたいです。
米エネルギー情報局(EIA)の29日の発表によれば、米国の9月の原油および石油製品輸出量が輸入量を日量8万9000バレル上回り、統計を開始した1949年以来70年ぶりに月間ベースで純輸出国となった。
米国は週間ベースのデータではこれまで純輸出国となることはあったが、月間ベースでの輸出超過は、約10年前にシェールブームが始まるまでほとんど誰も予想できなかった数字であり、エネルギー生産国としての米国のステータス確立を象徴する出来事といえそうだ。
ソース https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-30/Q1RTUFT0AFHG01