株式ETFの中でも、S&P500の構成銘柄の内、高配当銘柄に絞って投資するSPYDについて記事にしております。
SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(SPYD)とは
S&P500®指数構成銘柄のうち、高配当利回り上位80銘柄に投資する上場投資信託(ETF)で、米国に上場されております。ただ、SBI証券など日本の証券会社でも購入できます。
SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF is an exchange-traded fund incorporated in the USA. The Fund seeks to provide investment results that correspond to the price and yeild performance of the S&P 500 High Dividend Index. The Index tracks 80 of the highest yielding companies in the S&P 500 based on the indicative yield.
2021年3月31日時点では、実際には80銘柄ではなく78銘柄に投資をしております。
基本情報(2021年5月21日時点)
上場:米国(日本のネット証券会社から投資可能)
配当頻度:四半期(3ヶ月ごと、3月、6月、9月、12月)
配当利回り:4.66%
経費率:0.07%
最低投資価格: 約42ドル
配当利回りが高く、経費率が低いETFとなっております。日本のネット証券会社3社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)で投資可能で、かつ、最低投資価格も低いため投資しやすいと感じる人も多いかと思います。
チャート(2021年5月21日時点)
S&P500の様に綺麗な右肩上がりとはいきませんが、この数年間、上昇傾向となっておりました。2021年5月25日時点では、コロナウィルスの影響からも株価が回復しており、将来的に同様のショックが起きたとしても回復を期待して持ち続けることができそうです。
S&P500のETFであるVOOとの比較も当該記事の中で行っております。
運用実績(2021年4月30日時点)
高配当株式ETFは、配当利回りが高いけど、株価が下落するなど、トータルリターンは高くないことが多いですが、SPYDの設定来でのパフォーマンスは年利10%程度と高いです。
税引き前 | 基準日 | 1年間 | 設定来 |
市場価格 | 2021年4月30日 | 53.14% | 10.68% |
SPYDのポートフォリオ(2021年5月20日時点)
SPYDのセクター別割合となります。
上位4セクターで70%程度を占めております。トップの割合が24%と高めです。ツートップが金融、不動産というのは変わっておりませんが、トップ3となったエネルギーの割合が高まっている印象があります。
- 金融 24.01%
- 不動産 18.26%
- エネルギー 14.34%
- 公益事業 12.90%
SPYDの配当実績(2021年5月21日時点)
一株当たりの配当は、2020年は1.63ドル、2019年は1.746ドルで、2018年は1.619ドルとなります。
2020年についてはコロナウィルスの影響で配当は減少傾向となっておりましたが、2020年12月以降回復してきております。ただ、2020年9月の配当はここ2年半で一番少ない金額となっております。2019年9月と比較すると4割減となっております。
Ex/EFF DATE | CASH AMOUNT | PAYMENT DATE |
03/19/2021 | $0.636 | 03/24/2021 |
12/18/2020 | $0.607 | 12/23/2020 |
09/18/2020 | $0.264 | 09/23/2020 |
06/19/2020 | $0.366 | 06/24/2020 |
03/20/2020 | $0.396 | 03/25/2020 |
12/20/2019 | $0.497 | 12/26/2019 |
09/20/2019 | $0.448 | 09/25/2019 |
06/21/2019 | $0.462 | 06/26/2019 |
03/15/2019 | $0.339 | 03/20/2019 |
12/21/2018 | $0.443 | 12/27/2018 |
09/21/2018 | $0.451 | 09/26/2018 |
06/15/2018 | $0.376 | 06/20/2018 |
03/16/2018 | $0.349 | 03/21/2018 |
メリット
高配当が見込める
この商品最大のメリットは高い分配金利回り。2021年5月21日時点で4.66%あります。株価が下落しているため、利回りが高いですが、ここ数年は分配金利回りは4〜5%程度のイメージです。今後も配当が減少していくと分配金利回りが下がるか、株価がさらに下落していく可能性があります。
S&P500の高配当銘柄に絞って投資できる
VOOなどのS&P500に連動するETFの配当利回りは大体2%程度。世界的な株式指標であるS&P500に投資したいけど、配当利回りを重視する方にはかなり物足りなく感じます。S&P500の構成銘柄のうち、高配当に絞って投資することができるため、配当を重視だけど、S&P500の動きも気になる方にはちょうどいい商品です。
手頃な価格で投資できる
VOOなどS&P500に連動するETFは最低投資額が少し高めで、VOOは400ドル弱となります。多くのETF銘柄に毎月投資する場合、投資しにくかったりします。VOOなどと比べるとSPYDは40ドル程度で投資できるため、投資しやすいです。
信託報酬が非常に低く、長期保有できる
信託報酬は0.07%。高配当ETFは手数料が高い商品も多いのですが、SPYDはコストが非常に低く、長期間保有できます。
SPYDとよく比較するETFとしてVYMがあります。VYMは0.06%とさらに低いのですが、もう誤差の範囲かと思います。
デメリット
S&P500よりパフォーマンスが下がる傾向がある
高配当銘柄の特徴としては、株価の成長があまりないため、株価の上昇と配当利回りのトータルで損益を見ると、配当が低い銘柄の方がパフォーマンスが高い傾向があります。
それはSPYDでも同様のことが言え、S&P500の方がパフォーマンスが高い傾向があります。S&P500に完全に連動するわけではなく、別商品と思って投資した方がいいかもしれません。
S&P500に連動するETFを保有している場合、確実に重複する
SPYDはS&P500の内80銘柄程度に投資しており、VOOなどのS&P500に連動するETFを保有している場合、確実に重複します。
減配リスク
高配当銘柄に投資する場合に避けて通ることができない問題ですが、コロナショックのような事象が生じるなど経済状況が変わるとETFに含まれる銘柄の配当が減少する傾向があります。その場合、ETFも配当減少が見込まれます。
下落局面での影響
コロナウィルスによる株価急落の影響は大きく、急落前と比較すると50%程度下落したタイミングもあります。高配当銘柄はS&P500などと比べると、株価の戻りに時間がかかる傾向があります。
SPYDとVOO(S&P500)の比較(2021年5月21日時点)
以下、SPYDとVOO(S&P500 ETF)の過去5年間の値動きを比較したチャートになります。
オレンジ色:SPYD、青色:VOO
5年間の価格推移をみると、SPYD(+27.54%)よりもVOO(+97.89%)の方が株価上昇による影響が大きかったこととなります。
株価上昇についていうと、SPYDはVOOよりも5年間で70.35%パフォーマンスが低いことになります。仮に配当の違いを考慮しても、配当利回りの差を3%と仮定しても、この差が大きく埋まることはありません。
SPYDとVYM(高配当ETF)の比較(2021年5月21日時点)
以下、SPYDとVYM(米国高配当ETF)の過去5年間の値動きを比較したチャートになります。
オレンジ色:SPYD、青色:VYM
5年間の価格推移をみると、SPYD(+27.54%)よりもVYM(+51.20%)の方が株価上昇による影響が大きかったこととなります。
株価上昇についていうと、SPYDはVYMよりも5年間で23.66%パフォーマンスが低いことになります。仮に配当の違いを考慮しても、配当利回り差は大きくても2%程度ですので、この差が縮まりますが埋まることはありません。
個人的な感想
私はS&P500への投資も行っておりますが、配当利回りの低さが気になり、VOOを少し持っている程度。VOOよりも高配当な銘柄としてVYMも保有しておりますが、配当利回りを重視して、SPYDへの切り替えも検討中です。ただ、パフォーマンスは、VOO>VYM>SPYD となっております。
個人的にはVOOなどと同様に子供や孫に受け継ぎたい銘柄の候補の一つになって欲しいですが、VYMよりもパフォーマンスが低いとちょっと考えてしまいます。現在はジュニアNISAで継続的に投資しております。
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2020年3月以降、コロナウィルスにより株価が急落しており、SPYDでは経験したことがない株価急落となりました。その後株価はコロナ前の水準を回復しており、将来的に危機で株価が大きく下落しても、戻ることを信じて保有し続けることができそうです。
個人的には、長く保有できる銘柄の株価下落はバーゲンセールでしかないですから、株価が大きく下落したら追加資金を投下していきたいです。