個人的に、資産を減らさず、配当を重視しつつも、全体として負けにくいポートフォリオを目指しておりました。その中で今回はバランス型で配当を重視しつつ成長も見込める株式と債券とオルタナティブ資産に投資するETFについて記事にしております。
SPDR SSGA インカム・アロケーションETF(INKM)とは
インカム・ゲインが期待される株式や債券やオルタナディブ資産への投資を通じて、元本成長も追求するバランス型のアクティブETFです。
米国の国債および社債、転換社債や優先証券を対象とした戦術的な資産配分戦略とともに、国内外の高配当株式やグローバルREITへも投資を行います。
SPDR SSGA インカム・アロケーションETF(INKM)のポイント
- INKMの1銘柄で配当を重視した株式と債券とオルタナティブ資産に分散投資できる
- 大負けしにくい
- 四半期配当
- 2012年に上場したETFで過去のパフォーマンスも悪くない
- 日本のネット証券会社3社で投資可能(2021年3月12日時点)
基本情報(2021年3月12日時点)
上場:米国(日本のネット証券会社では、SBI証券、マネックス証券、楽天証券は投資可能)
配当頻度:四半期(3カ月ごと、3月、6月、9月、12月)
最低投資金額:34.98ドル(1口)
配当利回り:3.83%
経費率:0.50%
チャート(2021年3月12日時点)
2012年に上場したETFですが、長期的に上昇しております。コロナによる影響で2020年3月に大幅に下落しましたが、既にコロナ前を回復しております。
運用実績(2021年2月28日時点)
大勝ちする商品ではありませんが、長い目で見た時の基準価格のパフォーマンスは年利5.43%となります。十分と感じる人も多いかと思います。
SPDR SSGA インカム・アロケーションETF(INKM)の投資先構成比率(2021年3月11日)
ほとんどETFに投資しておりますが、メインはSRLN(シニア債)とSPYD(高配当株式)となります。
個人的には、個別ETFで投資を検討した銘柄が複数含まれており、悪くないと感じております。
Ticker | Name | Weight (%) |
SRLN | SPDR Blackstone Senior Loan ETF | 19.76 |
SPYD | SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF | 16.88 |
EBND | SPDR Bloomberg Barclays Emerging Markets Local Bond ETF | 10.11 |
DWX | SPDR S&P International Dividend ETF | 10.08 |
JNK | SPDR Bloomberg Barclays High Yield Bond ETF | 9.95 |
PSK | SPDR Wells Fargo Preferred Stock ETF | 6.99 |
SPLB | SPDR Portfolio Long Term Corporate Bond ETF | 6.55 |
CWB | SPDR Bloomberg Barclays Convertible Securities ETF | 5.23 |
REM | iShares Mortgage Real Estate ETF | 5.13 |
GII | SPDR S&P Global Infrastructure ETF | 4.94 |
SPTL | SPDR Portfolio Long Term Treasury ETF | 2.99 |
KBWY | Invesco KBW Premium Yield Equity REIT ETF | 1.09 |
85749270 | Ssga Fds/Usa State St Inst Us Gov M Oef | 0.45 |
CASH_USD | U.S. Dollar | -0.21 |
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SPDR SSGA インカム・アロケーションETF(INKM)の資産クラス別保有割合(2021年3月11日)
株式とレベレッジド・ローンで半分程度のとなっております。
その他は、投資適格債やハイ・イールド債や優先株式やグローバル不動産などインカムゲインが生じる資産で構成されております。
SPDR SSGA インカム・アロケーションETF(INKM)メリット
株式と債券とオルタナティブ資産への投資を1銘柄で簡単に行える
INKMには、ステートストリートの株式や債券やオルタナディブ資産の代表的なETFが含まれており、1銘柄で多くの配当を重視した資産にバランスよく投資を行えるのは魅力的です。しかも1口35ドル程度で投資しやすい。
INKMに含まれている資産はほとんどがETFのため、自分でポートフォリオを構築することもできますが、継続的に複数の銘柄をバランスを考慮して投資し続けるのも手間です。また、投資額もINKMに投資するのに比べて多く必要になります。
バランス型のため負けにくい傾向がある
景気が上昇を続けていると株式だけでいいと思いますが、コロナウィルスなど想定外の事象により経済活動が一変すると、特定の商品に偏っていると大負けすることがあるかと思います。株式だけでなく、債券やオルタナティブ資産をバランスよく含めておくと、株式の下落時に債券価格上昇により相殺でき、ショックを和らげることができます。
高配当が見込める
2021年3月12日時点で分配金利回りは3.83%となっております。
日本のネット証券会社3社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)から簡単に投資できる
バランス型ETFは日本の証券会社では取り扱いがあまりないように感じておりますが、INKMについてはネット証券会3社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)から簡単に投資できます。
コロナショックを乗り越え長期的に上昇傾向
配当を重視したETFだと配当は魅力的でも株価が下落傾向であるケースが結構多いです。INKMについては配当もある程度ありつつ、株価は上昇傾向となります。
また、コロナショックからも回復しており、将来的に同様のショックが起きた際も、回復する可能性を信じて投資を継続することができます。
SPDR SSGA インカム・アロケーションETF(INKM)デメリット
株式市場が上昇局面での誘惑
株式がさらに上昇すると、債券投資分だけパフォーマンスが落ちることがあります。
当初はリーマンショックやコロナウィルスでの経験から負けにくい投資を目指していても、株式市場が過熱すると債券が入っていない方がパフォーマンスが高いので、債券が含まれているINKMを売却し、株式だけの投資をしたくなります。
市場が急落する局面では分散効果は大きくない
コロナウィルスによる経済危機が起きると、株式だけでなく債券やオルタナティブ資産も換金ニーズから売られ、大きく下落することになりますので注意が必要です。
ただ、分散効果が効きにくい状況は長く続かない傾向があります。
同じポートフォリオを自分で構築した方がコストが低い傾向がある
INKMが保有しているETFに個別に投資した方が、Management Feeが下がります。
INKMは12銘柄で構成されており、自分で同じ銘柄を同程度の割合で投資することにより再現できますので、コストが高いと少し気になります。これは、INKMだけでなく、ETFが複数のETFに投資する場合には共有のデメリットとなります。
四半期配当
配当の頻度は四半期となります。日本の株式市場で上場しているETFなら良くある配当頻度ですが、海外ETFでは配当を重視するETFでは月次配当が多かったりするので、INKMが四半期配当というのはちょっと残念です。
個人的な感想
配当を重視しつつも、全体として負けにくいポートフォリオを目指しており、バランス型のETFについてもリサーチしておりました。
個人的には、自分に合ったアセットアロケーションを設定するのが難しく感じております。一部の投資信託では8つの資産などに同じ割合で分散投資しているケースもあり、シンプルでわかりやすい投資と思ったりしますが、外国株式と日本株式がどうして同じ割合なのか、株式と債券と不動産とコモディティなどがどうして同じ割合なのかといった疑問が出てきてしまいます。
INKMは米国内外の株式や債券やオルタナティブ資産を取り込み、配当を重視しつつ成長も狙うという欲張りなETFとなっております。過去の運用実績としてはMSCIワールドインデックスと比較すると見劣りしますが、配当を重視した銘柄では悪くない実績かと感じております。
自分で配当を重視したポートフォリオを構築していくことに変わりはありませんが、バランス型のETFについても1銘柄だけ継続的に投資していきたいと考えておりました。
まだINKMに投資をしておりませんが、投資候補と考えております。