コロナウィルスの影響で下落している銘柄が多い中、テクノロジー関連はいち早く株価下落前と同程度の水準を回復しています。今回はテクノロジー関連銘柄としてVGTを記事にしております。
バンガード・米国情報技術セクターETF(VGT)とは
米国の情報技術セクターの大型株、中型株、小型株を網羅するMSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックスのパフォーマンスへの連動した投資成果を目指す上場投資信託(ETF)で、米国(NYSE Arca)に上場されております。
上位構成銘柄は、アップルやマイクロソフトなど、米国の代表的なハイテク銘柄で占められています。
基本情報(2020年7月10日)
上場:米国(日本の証券会社から投資可能)
配当頻度:四半期(3ヶ月ごと、3月、6月、9月、12月)
配当利回り:1.08%
経費率:0.10%
チャート(2020年7月10日)
ITバブル後に上場した銘柄となり、当時は50ドルくらいでした。2008年末には30ドル台まで売られましたが、その後は上昇を続けております。さすがにコロナウィルスによる影響が株価が大きく下落しておりますが、既に株価は下落前の水準を超えて上昇しております。
業種別構成比率(2020年5月31日)
当然といえば当然ですが、全て情報技術関連で占められております。ハードウェアなどの割合が50%弱なっており、ソフトウェアの割合は33%で、IT関連サービスが20%となります。
個人的には少し以外で、ほぼソフトウェアやIT関連サービスで構成されているかと思っておりましたが、実際には、ハードウェアの割合も高いです。
ファンド組入上位銘柄(2020年5月31日)
Ticker | Company | % |
---|---|---|
AAPL | Apple Inc. | 18.14 |
MSFT | Microsoft Corp. | 17.27 |
V | Visa Inc. Class A | 4.05 |
MA | Mastercard Inc. Class A | 3.51 |
INTC | Intel Corp. | 3.51 |
NVDA | NVIDIA Corp. | 2.81 |
CSCO | Cisco Systems Inc. | 2.64 |
ADBE | Adobe Inc. | 2.43 |
PYPL | PayPal Holdings Inc. | 2.25 |
CRM | salesforce.com Inc. | 1.92 |
上位10銘柄となりますが、特に、アップル、マイクロソフトの割合が高く、2社だけで35%の割合となります。
VGTとS&P500の比較(2020年7月10日基準)
過去5年間の比較
オレンジ色:VGT、青色:VOO(S&P500のETF)
出所:ブルームバーグより
5年間の価格推移をみると、VGT(+160.02%)はVOO(+49.76%)と、パフォーマンスがいいとされるS&P500を大幅に上回る株価の上昇となっております。
この5年間でVOO(S&P500)を上回るリターンのETFは限られておりますが、株価上昇についていうと、VGTはVOOよりも5年間で110%パフォーマンスが高かったことになります。
メリット
成長が見込める
米国のハイテク企業は成長が続いており、株価上昇によるキャピタルゲインを狙えます。
S&P500を上回るリターンを期待できる
過去5年間の値動きを見ると、VGTはS&P500のリターンを大幅に上回っております。今後も同様の動きが継続するとは言えませんが、S&P500を上回るリターンを得られる可能性があります。
コストが低くめで、長期間保有できる
VGTの信託報酬が0.10%でコストが低く、長期間保有した場合でも負担はあまりないです。
日本のネット証券会社からも投資できる
海外ETFについては、全ての銘柄を日本のネット証券会社3社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)で投資できるわけではなく、魅力的な海外ETFについて、税法の問題や投資家のニーズがあると思われていない銘柄は取り扱っていなかったりします。
VGTについては日本のネット証券会社3社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)で取り扱っているため、日本株に投資するのと同じ感覚で、簡単に投資することができます。
デメリット
ITなどの高い成長が今後も続くとは限らない
VGTは特定の産業に絞ったETFとなりますが、IT分野で高い成長が今後も続くとは限りません。
ここ5年間はVGTのパフォーマンスはS&P500を大幅に上回っておりますが、次の5年間も同様に成長するかどうかは分かりません。
成長企業への投資のため配当が少ない
成長率が高い企業の場合、高い収益率の投資案件が存在するため、配当に回すより内部留保して投資に回した方が投資家にとってはリターンが高まります。そのため配当利回りが低い傾向があるので、配当メインの投資家にはあまり向かないです。
個人的な感想
S&P500を長期的に上回る可能性があり、気になる銘柄の一つ。コロナウィルスの影響は既に過去のことになっております。
どの銘柄についても言えますが、過去のパフォーマンスが良かったからとしてこの先もパフォーマンスがいいとは限りませんが、IT関連については今後の成長を期待して投資したくなります。
アップルとマイクロソフトの2社だけで35%を占めている点は非常に気になります。気になるのはこの点のみかもしれません。
VGTは過去継続してS&P500を上回りリターンを上げており、個人的には、自分のNISAや海外口座での投資というより、子供のジュニアNISAで投資したいです。