株の売買益は目的としてしておらず、配当が好きな方向けの海外ETF(高配当)の一つとして優先株式ETFのPFFDを紹介します。
優先株式ETFは複数あり、PFFが有名ですが、2017年に上場したPFFDはPFF以上の魅力を感じる方も多いかと思います。
グローバルX 米国優先証券 ETF(PFFD)とは
グローバルX 米国優先証券 ETF (PFFD)
ICE BofAML・ダイバーシファイド・コア・米国優先証券・インデックスと同等の投資成果をあげることを目指す優先株式ETFとなります。
米国の優先株式に分散投資することがで、毎月の配当を得ることができます。
優先株式とは
普通株式とは異なる条件や権利を付した種類株式のうち、普通株式に比べて、剰余金の配当を優先的に受ける、あるいは残余財産の分配を優先的に受ける、あるいは両方について優先的に受ける、という権利をもつ株式のこと。
野村證券 証券用語解説集https://www.nomura.co.jp/terms/japan/yu/yuusenkb.html
簡単に説明すると、株式と債券の両方の性質を持ち、値上がりは限定的だけど、配当が高い商品。
基本情報(2021年6月26日)
運用会社 | Global X |
上場 | 米国(SBI証券、マネックス証券、楽天証券から投資可能) |
配当頻度 | 月次 |
配当利回り | 5.03% |
経費率 | 0.23% |
チャート(2021年6月26日)
上場後、大きな株価変動はありませんでした。コロナウィルスによる影響により株価が大幅に下落しましたが、既に回復しております。
将来的に同様の危機が生じた際に、一時的に株価が下落したとしても回復を信じて持ち続けることができそうです。
グローバルX 米国優先証券 ETF(PFFD)のメリット
安定的な高配当が見込め、価格変動が少ない
PFFDの最大のメリット。正直、安定的に高配当が見込めて、毎月の配当を重視する人には投資対象になり得る商品では無いでしょうか。金利低下の中、2021年6月26日時点の配当利回りは5.06%と、5%を程度の配当利回りは魅力的です。
管理コストが低い
PFFDの信託報酬は0.23%と、優先株式ETFの代表格であるPFFの半分程度。ETFに投資をする方だとコスト意識が高いと思いますが、おそらく満足できるレベルなのかと思います。
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個人で多くの優先株式にアクセスできること自体が奇跡
リーマンショックの際に、多くの金融機関が優先株式を発行しましたが、一番興味を持ったのはその金利。7%や8%なんて当たり前。
個別企業の優先株式については、全くと言っていいほど日本で買うことができません。ニュースで話題になる商品はプロ向けで、個人ではアクセスできません。個人でも優先株式へのアクセスを可能にしたETFを知った時は感動しました。
優先株式に限らず、ジャンク債やその他の商品についても同様の事が言えますが、個人的に一番感動したのが優先株式でしたので、記載しております。
グローバルX 米国優先証券 ETF(PFFD)のデメリット
配当利回りが低下傾向
優先株式だと5%を超えるのが当たり前で、どちらかというと6%に近い水準でした。2021年では5%を下回っており、配当利回りは低下傾向となっております。
値上がりに上限がある
発行会社がコールオプションを有しており(期限日前に一定の株価で償還する権利)、市場価格で償還されるならいいですが、契約で償還価額が決まっている場合。通常、株価は当該償還価額が上限になります。償還できない期間が決まっており、償還可能となるファーストコール日にオプションを行使する事が通常と思います。
PFFなど他のETFとの差別化
指標と信託報酬について、PFFDとPFFを比べてみました。
銘柄 | PFFD | PFF |
指標 | ICE BofAML Diversified Core U.S. Preferred Securities Index | ICE Exchange-Listed Preferred & Hybrid Securities Index |
信託報酬 | 0.23% | 0.46% |
分配金利回り | 5.03% | 4.51% |
指標が異なるので、分配金利回りも異なります。上場してから、信託報酬に差があっても分配金利回りはほとんど同じ。むしろPFFの方が配当利回りが少し高い傾向がありました。
ですが、2021年6月26日時点ではPFFDの配当利回りの方が高い状態になっております。
PFFDはいいETFですが、優先株式ETFの代表格であるPFFとの差が見えにくいです。
後発の優先株式ETFなら、コストだけでなく、2倍のレバレッジがかかっている商品にするなど、これまでに無い商品だと嬉しかったです。
個人的な感想
PFFDは上場してから4年近く経ち、利回り及び価格ともに安定しており、長期的に保有しても大丈夫という安心感が出てきました。
以前は、優先株式ETFに、自分が投資するならPFFD、他の人にお勧めする時は運用期間が長く規模が大きいPFFと決めておりました。ですが、PFFDの運用期間が長くなってきたことと、規模が大きくなってきたことから、他の人に進める際にもPFFDをあげることが増えてきました。
PFFDは信託報酬でPFFよりもメリットがありますが、平均取引量はPFFの1/5程度で、規模が大きいETFを求める方には向かないことに変わりはないです。