世界で最も有名な株価指数であるダウ工業株価平均指数に連動するETFについて記事にしております。ダウに連動するETFはスタンダードすぎるのかあまり話題にならない気がします。
DIA(SPDRダウ工業株平均 ETF)とは
ダウジョーンズ工業株価平均SMの値動きと利回りに、連動する投資成果を上げることを目指す上場投資信(ETF)で、米国(NASDAQ)に上場されております。
ダウジョーンズ工業株価平均SM(DJIA)は、米国を代表する30の銘柄で構成され、100年以上の歴史を持つ最も古い米国株式市場の指数です。構成銘柄の株価を単純平均する手法で、1896年5月26日から算出されています。除数を修正することで、今日までその連続性を維持しています。現在、世界で最も有名な株式指数のうちの一つとして、幅広い世代の投資家から認知されています。
DIA(SPDRダウ工業株平均 ETF)のポイント
- 世界一有名な米国の株価指数への投資
- 株価は長期的に上昇傾向
- 月次配当
- 過去23年間のパフォーマンスは9%程度と高い水準を保っている
- 日本のネット証券会社3社で投資可能(2021年8月時点)
基本情報(2021年8月16日)
上場:米国(日本の証券会社から投資可能)
配当頻度:月次
配当利回り:1.61%
経費率:0.16%
チャート(2021年8月16日)
上場してから23年以上経過していますが、株価は上昇が続いております。コロナウィルスにより株価が急落しておりますが、長期で見た場合の影響は限定的です。
運用実績(2021年7月31日時点)
1998年1月14日に上場してから2021年7月31日までの23年6ヶ月間の平均リターンは年利8.93%となっております。長期間高いリターンをあげているのは凄いの一言です。
業種別構成比率(2021年8月13日)
情報技術が約22%と最大で、金融、ヘルスケア、一般消費財・サービス、資本財・サービスの5業種はそれぞれ10%を超える割合となっており、ETFの8割超を占めております。1年前と比べると金融の割合が高まっています。
ファンド組入銘柄(2021年8月13日)
銘柄名 | Ticker | 業種 | 保有比率(%) | 保有株数 |
Goldman Sachs Group Inc. | GS | 金融 | 7.613647 | 5744215.000 |
UnitedHealth Group Incorporated | UNH | ヘルスケア | 7.593074 | 5744215.000 |
Home Depot Inc. | HD | 一般消費財・サービス | 6.140887 | 5744215.000 |
Microsoft Corporation | MSFT | 情報技術 | 5.427861 | 5744215.000 |
salesforce.com inc. | CRM | 情報技術 | 4.662566 | 5744215.000 |
McDonald's Corporation | MCD | 一般消費財・サービス | 4.426436 | 5744215.000 |
Boeing Company | BA | 資本財・サービス | 4.345625 | 5744215.000 |
Visa Inc. Class A | V | 情報技術 | 4.312077 | 5744215.000 |
Honeywell International Inc. | HON | 資本財・サービス | 4.295581 | 5744215.000 |
Amgen Inc. | AMGN | ヘルスケア | 4.257029 | 5744215.000 |
Caterpillar Inc. | CAT | 資本財・サービス | 4.051110 | 5744215.000 |
3M Company | MMM | 資本財・サービス | 3.717672 | 5744215.000 |
Walt Disney Company | DIS | コミュニケーション・サービス | 3.356247 | 5744215.000 |
Johnson & Johnson | JNJ | ヘルスケア | 3.266725 | 5744215.000 |
NIKE Inc. Class B | NKE | 一般消費財・サービス | 3.182207 | 5744215.000 |
American Express Company | AXP | 金融 | 3.078228 | 5744215.000 |
JPMorgan Chase & Co. | JPM | 金融 | 2.965167 | 5744215.000 |
Travelers Companies Inc. | TRV | 金融 | 2.897145 | 5744215.000 |
Walmart Inc. | WMT | 生活必需品 | 2.771480 | 5744215.000 |
Apple Inc. | AAPL | 情報技術 | 2.763510 | 5744215.000 |
Procter & Gamble Company | PG | 生活必需品 | 2.662311 | 5744215.000 |
International Business Machines Corporation | IBM | 情報技術 | 2.653785 | 5744215.000 |
Chevron Corporation | CVX | エネルギー | 1.889789 | 5744215.000 |
Merck & Co. Inc. | MRK | ヘルスケア | 1.421975 | 5744215.000 |
Dow Inc. | DOW | 素材 | 1.180469 | 5744215.000 |
Coca-Cola Company | KO | 生活必需品 | 1.060736 | 5744215.000 |
Cisco Systems Inc. | CSCO | 情報技術 | 1.046649 | 5744215.000 |
Verizon Communications Inc. | VZ | コミュニケーション・サービス | 1.035529 | 5744215.000 |
Intel Corporation | INTC | 情報技術 | 0.991416 | 5744215.000 |
Walgreens Boots Alliance Inc | WBA | 生活必需品 | 0.913571 | 5744215.000 |
U.S. Dollar | CASH_USD | その他 | 0.019484 | 6038357.500 |
有名企業ばかりで、多くがNYSEに上場しておりますが、一部NASDAQ上場の銘柄となっております。
ダウジョーンズ工業株価平均SM(DJIA)は、米国を代表する30の銘柄で構成され、構成銘柄の株価を単純平均するため全銘柄が同じ株式数を保有しております。
DIAとVOO(S&P500)の比較(2021年8月16日基準)
以下、DIAとVOOの過去5年間の値動きを比較したチャートになります。
オレンジ色:DIA、青色:VOO
株価については、DIA(+92.11%)とVOO(+104.92%)との差額は▲12.81%とおり、配当については、DIAとVOOの配当は2%程度で同水準となっております。
データを取る時点によって異なりますが、2017年から2019年末まではDIAはVOOを上回るパフォーマンスとなっておりましたが、コロナウィルス後はVOOのパフォーマンスの方が高い状況です。
-
VOO 海外ETFの紹介〜米国のS&P500に連動する投資
海外投資の定番とも言えるS&P500に連動するETFのVOOについて記載しております。 イーサンです。投稿頻度は多くありませんがTwitterもやっています。 VOO(バンガード®・S& ...
続きを見る
メリット
世界経済の指標
ニュースで米国の株価について言及するときは、必ずと言っていいほどダウジョーンズ工業株価平均を使っており、目にしない日は無い位の指標となっております。毎日自然と情報に触れることができるので、パフォーマンスの確認も簡単にできます。
優良企業30社で構成されている
厳選された優良企業30社で構成されており、大量の銘柄が含まれているETFより、非常に理解しやすいです。ETFの仕組みだけでなく、構成銘柄まで理解した上で投資をすると、自信をもって投資し続けることができます。
S&P500と同程度のリターンを期待できる
過去5年間の値動きを見ると、DIAはS&P500(VOO)のリターンを上回っております。2017年から2019年末の値動きを見ると、S&P500を上回っており、S&P500を上回るリターンを得られる可能性があります。
毎月配当がある
個人的にはちょっとうれしいのですが、配当利回りが2%程度だと四半期ごとの配当が多いのですが、DIAは毎月配当があります。
デメリット
構成銘柄30銘柄と少ない
ETFは分散投資できることがメリットの一つとなっておりますが、30銘柄だと直感的に少なく感じます。
ダウジョーンズ工業株価平均とよく比較されるインデックスとしてS&P500があります。S&P500は500銘柄含まれているため、ダウジョーンズ工業株価平均はS&P500の6%の銘柄数しか含まれていないことになります。
銘柄数が少ない場合、個別企業の影響を受けやすくなってしまいます。特に株価が大幅に下落するようなイベントがあった場合には、個別企業の影響は強く出るかと思います。
構成銘柄の平均株価の指標
30銘柄の株価を平均した指標となっているため、株価が高い銘柄の影響を受けやすいです(日経平均株価も同様の平均株価となっております)。
指標の計算方法が平均株価のため、ファンド組入銘柄の株式数を見ると、すべての銘柄が同数となっております。
コストが少し高め
これはデメリットと書くのは申し訳なく感じますが、経費率は0.16%のため、S&P500に連動するETFであるVOOの0.03%と比較すると少し高いです。
ただ、経費率0.16%は十分低い水準ですので、あくまで経費率が最低水準のETFであるVOOと比べた場合のデメリットとなります。
個人的な感想
これまではS&P500を重視しており、ジュニアNISAでVOOに投資をしておりました。DIAについては存在は知っておりましたが、銘柄数も少ないため、投資する気にはあまりなれませんでした。でも、今回記事を書いているうちに、投資するメリットも大きいと感じ始めております。
ETFに含まれるすべての個別銘柄について調べて理解することは可能ですので、人生を共にすることができるETFと感じ始めました。
まだ投資はしておりませんが、今後投資を検討していきたいと思います。