投資信託を中心に信託報酬の引き下げが続いており、参照する指標によってはETFよりも投資信託の方が信託報酬が低くなっておりました。
信託報酬の引き下げを積極的に行っている三菱UFJ国際投信のETFについて今回記事にしております。
MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信とは
円換算した対象指数MSCIコクサイ・インデックスの値動きに連動する投資成果をめざす上場投資信託(ETF)です。
東証に上場されておりますので、SBI証券など日本の証券会社で購入できます。
MSCIコクサイ・インデックスとは
MSCI KOKUSAI(コクサイ)インデックスは、日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株を構成銘柄の対象としており、時価総額でみて市場の約85%をカバーしています。
MSCI KOKUSAIインデックスに連動するETFや投資信託の話をすると、当該インデックスを知らない人は国債と勘違いすることがよくあります。
基本情報(2020年5月1日)
上場:東証(日本のネット証券会社などから投資可能)
決算頻度:年2回(6月/12月の各8日)
配当利回り:1.51%
経費率:0.15%以内
最低売買価格:21,990円(2,199円 10口)
チャート(2020年5月1日)
出所:https://www.am.mufg.jp/fund/181550.html
長期的に上昇しており、コロナウィルスによる影響も長い目で見れば限定的です。
メリット
日本を除く先進国の株式に分散投資できる
1銘柄で先進国(日本以外)に分散投資を行うことができます。新興国を投資対象に入れない方も多いので、先進国の株式市場に限定した投資に向いています。
日本株投資を行っている場合、当該ETFに投資を行うことにより、簡単に先進国への分散投資を行うことができます。
信託報酬が低く、長期保有できる
信託報酬は0.15%。ETFとして十分にコストは低いです。同じインデックスの海外ETFのTOKは0.25%よりも低くなっております。
日本で上場しているため簡単に投資できる
海外ETFの投資にハードルを感じている人でも、東証に上場しているため、日本株を買うのと同じ感覚で簡単に取引できます。
デメリット
投資信託と信託報酬に差があまりない
日本でインデックス型の投資信託でコスト引き下げ競争が起きておりますが、その中でも熾烈になっているインデックスの一つにMSCI KOKUSAIインデックスがあります。
ETFの信託報酬が低く、投資信託は高いことが多かったのですが、MSCI KOKUSAIインデックスに連動する商品はあまり差がありません。むしろ投資信託の方が低いケースもあります。
資産運用会社 | ファンド名 | 信託報酬(税込み) |
ニッセイアセットマネジメント | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.10989%以内* |
三菱UFJ国際投信 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.10615%以内* |
* 2020年2月10日時点のSBI証券のHP記載の信託報酬を記載しております。実質コストについてはもう少し高くなります。
S&P500と比べてパフォーマンスが物足りない
ここ数年の世界の株価の動きとしては、世界中に分散投資するよりも、米国株式に投資をした方がパフォーマンスが高い傾向があります。
米国のS&P500と比較すると、この5年間のパフォーマンスは明らかに物足りないです。同じインデックスの海外ETFで比較をしているので、リンク先のTOKで確認できます。
-
iシェアーズ MSCI コクサイ ETF(TOK)の紹介
2つの先進国株式インデックス 先進国株式インデックスの内、日本でよく使われている2つのインデックス。 インデックス 対象国 MSCI KOKUSAI 先進国22ヶ国(日本を除く) MSCI WORLD ...
続きを見る
規模が小さい
ETFの規模が小さく取引が少ないです。1日の売買高が2020年5月1日は18,450口となっております。一定の規模が無いと、途中で償還されるリスクもありますので、もう少し規純資産総額が大きくなってほしいです。
個人的な感想
高配当を重視する場合には対象にはなりにくい銘柄ですが、先進国の経済成長に投資をしたい場合には、コストも低いため、候補になる銘柄と思います。特に海外ETFではなく、東証で上場しているETFでポートフォリオを組む場合には、マッチしそうです。
個人的には、iDeCoでMSCI KOKUSAIインデックスに連動する投資信託に投資をしており、全体の8割程度を占めております。そのため、ETFでも投資をすると重複してしまうので、避けております。