個人的に高配当で好きなBDC銘柄の内、ベンチャー企業への投資にフォーカスしているTPVGについて記事にしております。
TPVG(トリプルポイント・ベンチャー・グロースBDC)とは
TPVG(TriplePoint Venture Growth BDC Corp)
トリプルポイント・ベンチャー・グロースBDC(TriplePoint Venture Growth BDC Corp.)は、クローズドエンドの非分散型管理投資会社である。
【事業内容】投資目的は、主に経常利益の形で株主への総利益を最大化することであり、技術、生命科学及びその他の高成長産業に焦点を当てたベンチャー成長段階の企業に主にワラントを貸与することにより、資本の増価を最小限にすることである。
TriplePoint Capital LLC(TPC)の選択したベンチャーキャピタル投資家グループによって支えられる。ベンチャーキャピタル投資家に支えられたベンチャー成長段階の企業への投資機会をターゲットとする。担保権を担保とするローンを主に組成し、投資を行い、ベンチャー成長段階の企業が継続的な拡大と成長、設備融資、及び選択ベースで回転ローンの資金を調達するために使用する。
TPVG Advisers LLCによって管理される。
TPVGは成長段階のベンチャー企業に対するローン、ワラントや株式に投資しております。
BDCのETFであるBIZDにも組み入れられています(2021年6月30日時点)。
TPVG(トリプルポイント・ベンチャー・グロースBDC)のポイント
- BDC
- 配当利回りが高い
- 配当月は変動しているが、四半期配当
- 配当が少ない期が数年に1度ある
- 高成長が見込めるベンチャー企業向け
- 株価はコロナ前の水準を回復
- 株価は長期的に一定の価格帯で推移
- 2014年に上場した
- 日本のネット証券会社から投資できない(2021年7月1日時点)
BDCとは
Business Development Companies(ビジネス ディベロップメント カンパニーズ)の略で、日本語では事業開発会社と訳されます。新産業や有望な中堅企業等(中小企業から上場企業まで)の事業開発を金銭面及び経営面からサポートする会社で、その多くが米国の証券取引所に上場しています。その配当利回りが相対的に高いことや今後の米国の経済成長期待から、注目されている資産の一つです。
出所:https://www.smam-jp.com/market/report/keyword/usa/key170131us.html
基本情報(2021年7月1日)
上場:米国(日本のネット証券会社では、SBI証券とマネックス証券と楽天証券は投資不可能)
配当頻度:四半期
最低投資金額:16ドル程度(1口)
配当利回り:9.48%
チャート(2021年7月1日時点)
BDC銘柄は株価は横ばいか下落している銘柄が多い印象があります。TPVGについては、コロナショックによる下落が非常に大きく、1/3程度に下落しました。
ただ、その後はコロナ前の水準を概ね回復しております。
投資先セクター構成割合
TPVGは、成長段階のベンチャー企業への投資にフォーカスしているため、投資先としてはIT系の割合が高いです。
商品別構成割合
TPVGはローンで全体の9割程度構成されていますが、ワラントと株式への投資割合が10%程度あります。
TPVG(トリプルポイント・ベンチャー・グロースBDC)の配当状況
TPVGは原則として四半期配当ですが、支払日や基準日については特定の月に決まっているわけでなく変動的です。数年に1度配当が少ない期があります。
2021年
四半期 | Amount | Payable | Record |
Q2 FY2021 | $0.36 | 2021/6/30 | 2021/6/16 |
Q1 FY2021 | $0.10 | 2021/1/13 | 2020/12/31 |
Total dividends paid in 2021 | $0.46 |
2020年
四半期 | Amount | Payable | Record |
Q4 FY2020 | $0.36 | 2020/12/14 | 2020/11/27 |
Q3 FY2020 | $0.36 | 2020/9/14 | 2020/8/31 |
Q2 FY2020 | $0.36 | 2020/6/30 | 2020/6/16 |
Q1 FY2020 | $0.36 | 2020/3/30 | 2020/3/16 |
Total dividends paid in 2020 | $1.44 |
TPVG(トリプルポイント・ベンチャー・グロースBDC)のメリット
高い配当利回り
最大のメリット。高配当が見込めて、配当を重視する人には紹介できる商品の一つ。2021年7月1日時点の配当利回り9.48%と、高い配当利回りは魅力的です。
通常とは異なるアセットクラスへの投資
通常の株式や債券といった、従来の伝統的資産とは異なるリスク・リターン特性を有している。そのため、ポートフォリオに組み込むことに分散効果があります。
TPVGはベンチャー企業へのローンの投資割合が高いのが特徴となります。
株価は横ばい傾向
高配当銘柄では株価の上昇がほとんど無く、下落傾向となることが多いのですが、TPVGについては概ね横ばいとなっております。
TPVG(トリプルポイント・ベンチャー・グロースBDC)のデメリット
日本の証券会社では取り扱っていない事
こちらは最大のデメリットで、日本のネット証券会社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)で購入することができません(2021年7月時点)。そのため、米国の証券会社で口座を開いて投資する必要があります。
配当のタイミングが読みにくい
配当は基本的に四半期ごとにあるのですが、3月、6月、9月、12月のように固定されておらず変動します。
そのため、配当基準日直前に投資をしたり、配当金の受け取りのタイミングを見通しにくかったりします。
数年に1度配当が少ない期がある
FY2021の1Qでの配当が0.1ドルと少なめでしたが、過去の配当実績を見ると同様に配当が少ない期は数年に1度あります。
個人的な感想
配当利回りが高く、BDCは伝統的な資産とは異なる特性を持つため、ETFだけでなく個別企業についても投資しています。
個人的にはTPVGは成長段階のベンチャー企業への貸付の割合が高く、また、ワラントや株式での投資を行なっており興味を持ちました。また、株価が長期的に下落する銘柄には投資しないようにしておりますが、TPVGの配当利回りが高く、また、株価はコロナ前の水準を回復し、長期的に下落していないため継続的に投資していきたいです。
高配当銘柄では配当利回りが高い代わりに、株価は長期的に下落しているケースがよくありますので、高い配当利回りだけでなく、株価も考慮して投資した方がいいです。