Home 海外ETF

RYLD 海外ETF(高配当)の紹介〜配当を重視したラッセル2000のカバードコール戦略

2021-03-13

ラッセル2000インデックスについて配当を重視したカバードコール戦略をとるETFについて記事にしております。

イーサンです。投稿頻度は多くありませんがTwitterもやっています。

Russell 2000 Covered Call ETF(RYLD)

CBOE ラッセル2000・バイライト・インデックスに連動する投資成果を目指すETFです。

簡単に説明すると、ラッセル2000指数の株式を購入し、ラッセル2000指数のコール・オプションを売却することにより利益を生み出しております。

少しわかりにくいETFのため、用語の説明も行っております。

カバードコールとは

「有価証券の買い」と「コールオプションの売り」を同時に行うオプション取引の投資手法。

株などの有価証券の価格が変動しないと予想される時に行い、有価証券の価格上昇の収益が限定される分、オプション・プレミアムを獲得しインカムゲインを増やすことが可能。投資信託の中には、カバード・コールを運用上の戦略として組み入れているタイプも設定されており、その投資対象は株式や不動産投資信託(REIT)、通貨など幅広い。また同タイプは、為替取引のプレミアム(為替取引国間の短期金利差相当)の上乗せを狙う通貨選択型と組み合わされる場合も多い。

出所:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ka/A02243.html

オプションまで使いこなせると投資の世界が一気に広がります。カバードコールは一定の価格以上の値上がり益を享受できませんが、オプション料を得ることができるので、インカムゲインを増やすことができます。

 

カバードコール戦略による損益については新生銀行のサイトがわかり易いので、リンクを貼っておりきます。

投資信託 | SBI新生銀行
投資信託 | SBI新生銀行

SBI新生銀行の投資信託(金融商品仲介)は100円から手軽に始められ、自動購入などの利用で運用の手間も省けます。ぜひお気軽にご相談ください。

続きを見る

 

コールオプションとは

ある商品を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(=権利行使価格)で買う権利のこと。

コールオプションの取引は、買い方(買うことができる権利を買う:ロングコール:Long Call)と売り方(買うことができる権利を売る:ショートコール:Short Call)が同時に存在する。 新規に取引を開始する際には、買い方はプレミアム(オプション価格)を支払い、一方売り方はプレミアムを受取る。その後決済時等に、買い方が権利を行使すると、対象とする商品を権利行使価格で手に入れることができる。一方、売り方はこの権利行使に応じなくてはならない。

出所:https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ko/calloption.html

コールオプションを簡単に言うと、一定の価格で買う権利のことです。カバードコール戦略では、コールオプションを売りますので、買う権利を売却していることになります。

 

基本情報(2022年1月7日時点)

上場:米国(日本のネット証券会社では、SBI証券、マネックス証券、楽天証券は投資不可能

配当頻度:月次

配当利回り:11.11%

経費率:0.60%

 

チャート(2022年1月7日時点)


株価については上昇傾向ではあります。ただ、コロナショックの前の水準まで回復はしておりませんので、今後の株価をウォッチしていきたいです。

 

運用実績(2021年12月31日時点)

過去の年利リターンとなります。年利での設定来のリターンは11%程度と高いです。

株価上昇はあまり見込めない商品ですので、多くが配当から構成されております。高配当好きの方にとって、非常に魅力的な商品です。

 

保有銘柄(2021年8月23日時点)

保有銘柄を記載しておりますが、保有銘柄はラッセル2000指数に連動するETFとCashとオプションとなります。

構成銘柄 割合(%)
VANGUARD RUSSELL 2000 ETF(VTWO) 102.20
CASH 0.15
RUT US 01/21/22 C2190 -2.36

 

Russell 2000 Covered Call ETF(RYLD)のメリット

高配当が見込める

配当利回りは11.11%(2022年1月7日時点)。カバード・コールの売りで利益を生み出そうとするもので、ボラティリティが高い時期には、より高い利回りを生み出す傾向があります。

カバードコール戦略を手軽に行える

オプション取引だと敷居が高いと感じる方も多いかと思いますが、RYLDに投資するだけでラッセル2000への投資とコールオプションの売りによる損益を受け取れます。

運用実績は悪くない

2019年に設定された銘柄で短い期間の運用実績となりますが、設定来のパフォーマンスは年利11%程度と高いです。

 

Russell 2000 Covered Call ETF(RYLD)の>デメリット

商品の理解が難しい

コールオプションの売りやカバードコールなどオプション取引を行っていない場合、理解し難い商品となっています。理解できない商品に投資をすると、認識していない要因によって株価が変動して想定外の損失を出す事があります。理解できる商品のみに投資をするのが負け難い投資に繋がっていくかと思います。

カバードコール戦略を取らない方がリターンが高い可能性

ラッセル2000は株価上昇が続いており、カバードコール戦略によりコールオプションの売りを行わない方がリターンが高い傾向があります。

日本の証券会社では取り扱っていない

こちらは最大のデメリットで、日本のネット証券会社3社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)で購入することができません(2021年3月時点)。そのため、米国の証券会社で投資する必要があります。

 

RYLDとVTWO(ラッセル2000に連動するETF)の比較(2022年1月7日時点)

以下、RYLDとVTWO(ラッセル2000に連動するETF)の過去1年間の値動きを比較したチャートになります。2019年4月18日に上場したばかりのETFですので、直近1年間での比較となります。

オレンジ色:RYLD、青色:ラッセル2000(VTWO)

1年間の価格推移をみると、RYLD(+ 4.06%)とVTWO(+4.45%)で、大きなパフォーマンスの違いはありません。年間の配当差が10%と想定すると、この1年間はカバードコールを行わなった方がリターンは高かったことになります。ラッセル2000の株価が大きく上下しているけど、株価が上昇していかない場合、カバードコールを行なっている場合の方がリターンが高くなる傾向があります。

株価上昇を捨てる代わりに配当を得る戦略もありますが、ラッセル2000に連動するETF(VTWO)の株価の動きには注視してトータルリターンについて考える必要はあります。

VTWO 海外ETFの紹介

VTWO(バンガード・ラッセル2000 ETF)とは バンガード・ラッセル2000 ETF は、米国の小型株で構成される指数(ラッセル2000)と同等の投資成果をあげることを目指す上場投資信託(ETF ...

続きを見る

 

個人的な感想

配当をメインにしている方には10%の配当利回りで株価がというのは魅力的です。

長期的に株価が上昇しているインデックスの場合、カバードコールを行なわない方がリターンが高くなる傾向があります。

ただ、ラッセル2000に連動するETF(VTWO)は株価を見ると、1年間のなかでは株価が大きく上下していますが、1年前の一時点と株価を比較すると株価の動きはあまりない状況です。

この場合ですと、カバードコールを行なっている方がリターンが高くなる可能性もあります。

RYLDの1年間のパフォーマンスをみると、株価変動では カバードコールを行なっていないVTWOとほぼ同じですが、配当面でRYLDの方がリターンが10%程度大きい状況です。

少し理解し難い商品のため、誰にでも紹介できるようなETFではないかと思います。勉強を兼ねてリサーチ用に少しづつ投資してみるのはありかと思いますが、ただ、高い配当金のみに注目して投資をするのは避けた方がいいかと思います。

日本のネット証券会社3社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)では取り扱いがなく、米国の証券会社から投資する事になるのが残念です。

ただ、米国の証券会社でも、FirstradeやInteractive Brokersなら日本人でも簡単に口座を開設できますので、興味がある方はリンクの紹介記事をご覧頂ければと思います。

Firstrade(ファーストレード証券)〜日本から口座開設できる米国ネット証券会社の紹介

いい投資生活のサイトでは、海外ETFの取り扱いが多い日本のネット証券会社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)でも投資することができない米国の銘柄について記事にする事があります。 米国の株式市場に、 ...

続きを見る

Interactive Brokers(インタラクティブ・ブローカーズ証券)〜日本から口座開設できる米国ネット証券会社の紹介

いい投資生活のサイトでは、海外ETFの取り扱いが多い日本のネット証券会社(SBI証券、マネックス証券、楽天証券)でも投資することができない米国の銘柄について記事にする事があります。 米国の株式市場に、 ...

続きを見る

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

イーサン

金融機関に勤めながら投資ブログ書いています。 海外ETFが好きで記事にすることが多いですが、日本のETFや自己投資についても記事にしております。不動産も好きでJ-REITが所有している物件の写真を撮りに行くことも。

-Home, 海外ETF
-, , , , , , ,

© 2024 いい投資生活