IHYとは
VanEck Vectors International High Yield Bond ETF(IHY)
ヴァンエック・ベクトル・インターナショナル・ハイイールド債ETFは、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ・グローバル除米国発行体・ハイイールド・コンストレインド・インデックスの価格および利回り実績(手数料・費用控除前)にほぼ連動する投資成果を目指す米国籍のETFです。
シンプルに表現すると、米国以外の発行体のハイイールド債券に投資するETFとなっております。
ハイイールド債券とは
格付けが低い分、利回り(=イールド)が高い投機的格付債券のこと。格付機関によって格付けされる債券の信用度において、S&PならBB格以下、ムーディーズならBa以下に格付けされている。デフォルト(債務不履行)や元本割れなどが発生するリスクが高い分、利回りは高く設定されている。
野村證券 証券用語解説集
ハイイールド債はジャンク債とも言われており、個別の債券だとリスクは高いので、ETFを通して複数の銘柄を保有ししリスク分散したいです。
基本情報(2020年3月23日)
上場:米国(日本のネット証券会社では、SBI証券とマネックス証券は投資可能)
配当頻度:月次
最低投資金額:25ドル程度(1口)
配当利回り:4.97%
経費率:0.40%
チャート(2020年3月13日)
2012年に上場した商品で、大きな下落も上昇もあまりないです。ここ数年は23〜26ドル程度の印象です。コロナウィルスによる影響で株価が下落してはおりますが、債券は株式よりも下落は大きくないです。
投資対象の国別割合(2019年12月31日)
中国の割合が最大で、ブラジル、イギリスと続きます。10%の割合を超える国も中国だけですので、国の分散をしっかり行われている印象です。
日本でジャンク債はあまりない印象でしたが、ソフトバンクの債券が含まれております。
通貨ごとの割合(2019年12月31日)
米ドル建ての割合が高く、ユーロとポンドでほぼ100%の割合となります。
個人的にはドル建てのジャンク債は多く持っているので、ユーロ建てやポンド建ての割合が高いと嬉しかったです。
IHYの4つのメリット
毎月分配型高配当が見込め、他の類似する海外ETFより分配利回りが高い
IHYの最大のメリット。高配当が見込めて、ここ数年は価格変動が小さいため、毎月の配当を重視する人が気になる商品の一つ。2020年3月13日時点の配当利回りは4.97%。コロナウィルスで金利引き下げが行われましたが、クレジットリスクの上昇による影響もありIHYの価格は下落し、配当利回りが高まっていおります。依然として5%程度の配当利回りは魅力的です。
米国以外の発行体のハイイールド債に分散投資できる
米国のハイイールド債ETFは多くありますが、米国以外のハイイールド債にフォーカスしているETFはあまりないです。米国のハイイールド債ETFと合わせて投資すれば、世界中のハイイールド債に分散投資することができます。
株価下落局面での影響が限定的
コロナウィルスによる影響で株式市場が大幅に下落しておりますが、信用リスクが高い債券の価格は大きく下がっておりません。ただ、景気後退がさらに進むと影響は出てきます。
手軽に投資できる
IHYは30ドル弱で投資することができるので、少額から始めることができます。
IHYの3つのデメリット
リスクが高い
そもそも格付けが低い会社への投資のため、デフォルトリスクがあります。
ただ、各国の金利緩和政策により金利が過去最低水準やその付近にあり、利回りを求める投資家がハイイールド債に集まってきております。そのためハイイールド債の価格が上昇し、利回りが低下しております。
投資適格先の企業の債券が2~3%の配当利回りで投資できる状況の中、1~2%のプラスの利回りを得るために格付けが低い企業の債券に投資をするのは少し危険な気もします。
リスク許容度が高くない人にはあまり向かないかと思います。
値上がりに上限がある
ハイイールド債の場合、利回りが高く、債券価格は低いのですが、将来は国債などの債券全般と共通で、満期日には額面価額で償還されます。金利引き下げが行われ、一時的に額面金額より債券価額が高くなった場合があったとしても、満期には額面金額に収斂されますので、売却益を目的とした長期投資には向かないです。
複利効果を得にくい
配当を重視した投資をすると必然的に生じるデメリットですが、配当すると税金が生じてしまいます。また、配当金を再投資に回せばいいのですが、配当を生まないモノの購入に当ててしまうと、お金がお金を産むという複利効果を得られなくなってしまいます。
個人的な感想
ここ数年、低金利のため国債や優良社債での利回りが取れなくなってきており、利回りを追求して複数のハイイールド債ETFに投資をしております。
ハイイールド債やCLO市場は米国が大きいのですが、他の国の発行体にも分散投資し、世界中のハイイールド債に分散投資したくなってきました。
理由は利回りの追及をしつつ、リスクも分散したいためです。
そのため、米国以外のハイイールド債ETFを探してきましたが、投資の候補に上がってきたのが、IHYとなります。
信託報酬も高すぎず、そこそこの利回りが稼げる。ただ、米国のハイイールド債よりも利回りが低いため、IHYはリサーチ用に500ドル程度投資して様子をみていこうと思っております。
株も不動産も分散投資をせずに、米国一本で勝負した方がここ数年はパフォーマンスが高い傾向があり、ハイイールド債も同様の結果になるのではないかと予想しております。